これ、誤診ちゃうの?

from:増田拓也

@Physio Lab.

 

今日はまじめな話です。臨床で働く理学療法士の方はシェアできればと思います。

かれこれ3ヶ月通ってくれているお客さんの話をします。

その方は、67歳女性で、36年前に次女を出産後、子宮筋腫が発覚。

出産と摘出の手術を行いました。以降、36年間腰痛に悩まされていました。

毎年、梅雨時には腹痛と腰痛で動けない日々が続いていたそうですが、数回の施術でその腹痛&腰痛は消失し、日常生活にはほとんど問題なくなりました。

しかし、今回のテーマである「これ誤診やろ!」というのは別の症状での話です。

この方は、腰痛と同時に朝の指のこわばり、右膝が曲げれないくらい痛いという症状で当ラボに来られた方です。

初回では触れるのも痛いくらいでした。

手は毎日家事をこなすのですが、洗い物ができないため、よく茶碗を落として割っていたとか。

膝も曲がらないため、階段は這って上っていたようです。

 

初回は当然full grip出来ず、膝は屈曲100°しか曲がりませんでした。

当ラボで行う独自技術により、一回目でfull grip可能となり、膝も屈曲150°まで曲がりました。

よくよく聞くと、20年ほど前にリウマチの診断をされ、薬を処方されていたよですが、その薬を飲むと吐き気や頭痛などの症状に襲われ、倒れてしまうとのことです。

診断も、リウマトイド因子と朝のこわばりのみで確定診断されていたようで、リウマトイド因子は陽性だからといって関節リウマチと確定することはできません。関節リウマチの方すべてがリウマトイド因子陽性となるわけではないからです。早期では50%の人にしか陽性しかならないようです。

 

そら、適応じゃない薬はあかんやろ!

よーそれだけで薬だしたなー!

その方はキッチリ、薬は飲まずゴミ箱へ、、、。

「だって飲んだら死にそうなるから飲まれへんわ!」

ほんまにやばいでっせ!

 

関節リウマチの従来の診断は1987年改訂の米国リウマチ学会分類基準に従うのが一般的でしたが、2009年10月に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会と共同で新しい関節リウマチ予備診断基準が出され、これには朝のこわばりは除外されました。

あまり、朝のこわばり関係ないということでしょうね。

 

現にこの方も3回目の施術後には全く朝のこわばりもなく、日常生活で皿を割ることもなくなりました。

いわゆる「誤診」はあなたの周りにも多く潜んでいるかもしれません。

 

PS この方は現在、正座も可能となってきており、今困ることは動け過ぎていろいろ頼まれることだそうです。(笑)

 

―増田 拓也

 

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