S社長の要求
from:増田拓也
@Physio Lab.
ついに来週からS社長の依頼を受けていた研修会が始まります。
社長は訪問看護ステーションを運営されているので、看護師や理学療法士の仕事の理解をお互いに深めるという目的。
また、理学療法士に治せる技術を伝達してほしいという想いを受けました。
とても職員のことを考えておられる、素晴らしい経営者だと思います。
内容に関してはいつもラインでのやり取りがメインです。
そんな中、先日S社長より、、、
「2回目くらいまでは、(お借りする施設の)職員さんやケアマネさんなども参加します。
杖や手すり等などの用具の設定方法もお願いします。福祉用具専門相談員も参加します。
杖や階段手摺、お風呂の底上げ台の使用など。」
はい、要求アップ( ;∀;) やっぱりね。
訪問看護ステーションでの仕事ですので、当然です。
私も介護保険分野で働いていましたが、いかにして道具を使わずに機能を改善できるかにチャレンジしていました。
しかし、どうしても疾病の予後として不可能なものもあります。
その際に、考えるべきは、、、
その道具は何の機能を補助するのか?
その利用者は何が(動作のどの部分)できないのか?
です。
はっきり言って、自助具や補助具はどんどんと良くなっています。
しかし、それを選定するひとが間違えてしまうと、その道具自体が利用者の生活の妨げになります。
全てを補助してくれる道具はないのです。
例えば、病院でも整形外科的な手術を行うと(下肢や脊柱)
ほぼ間違いなく、サークルウォーカー(馬蹄形歩行器)を使用しますよね?
本来のあの歩行器の使用目的をご存知でしょうか?
G.G.Deaver医師は、その患者が一生涯、杖や松葉杖で歩けないと判断されない限り歩行器の使用は避けるべきであると述べています。
術後、使用することで歩行器に上肢がもたれかかり、次の歩行訓練の妨げになります。
なので、私はすぐにピックアップウォーカーを使用するように医師、主任に訴え変えてもらっていました。
確実に歩行獲得までの時間が延長されます。
その道具の特性を知り、動作を診る専門家である理学療法士が何を使えばその利用者がもっとも安全で快適に生活が出来るかを、専門家としての見解をもって他職種と連携することが介護保険分野におけるチームとしての一つの役割だと考えています。
PS では、S社長の要望通り資料の追加を図ります、、、(‘◇’)ゞ
―増田 拓也