昨日から基礎コース神経筋第2期始動!
from:増田拓也
@Physio Lab.
昨日からPhysio Lab.主催の基礎コース神経筋編第2期がスタートしました。
受講生は現役の理学療法士ばかりで、motivationの高い人ばかりです。
ラボは広さはないため、7~8人一つのグループで曜日を振り分け行っています。
6月に第1期は修了し、骨関節、神経筋を合わせて修了するとAdvanceコースの受講資格を得ます。
第1期でもそうでしたが、ほとんどが大阪でなく滋賀や兵庫、奈良など遠方からの方ばかりです。
わざわざ、こんな辺鄙なところまで有難いことです。
それと同時に受講者の皆さんのスキルがどんどん上がっていくのがわかり、嬉しい気持ちで見守っております。
昨日は神経筋編ですので、運動器の基礎、脳卒中、脊髄損傷の回復過程、diaschisis,spinal shockなどを冒頭で話をし、
理学療法士として神経筋疾患に使用する技術の基礎である【神経筋再教育】について話したところ事件は起こりました、、、。
受講生のほとんどは臨床経験1~5年目くらいで、なんと神経筋再教育の定義や順序、条件を知らないという方が多くいました。(ということは学校で教わっていない。教員が教えていない?!)
非常にびっくりしましたが、時代の流れなのかなと思いました。
PNFやBobath, Brunnstromの言葉は知っているが、これらがNPA(Neurophysiological Approach;神経生理学的アプローチ)で神経筋再教育の一部であるという認識はあまりないようです。
知らない方の為にもおさらいですが、神経筋再教育の定義は“骨格筋の随意運動の発達または、回復を目的とした運動療法の方法(R.L.Bennett)”
とされています。
条件は
1、患者の協力がいる。
2、知的能力に問題がない。
3、筋・腱に構築学的問題がない。
4、必要なROMがある。(30°以上)
5、痛みがない。
順序は
1、筋収縮の誘発、認知。
2、筋収縮の強化。
3、協調性の改善
4、持久力の改善。
5、スピード化。
これが神経筋再教育の概要です。これらを実践できて初めて理学療法士といえますが、この方法では脳卒中の患者のMann-Wernicke肢位(痙性麻痺)を助長します。これはF.J.Kottkeも述べています。
当コースではこの痙性麻痺を起こさない、二次障害をつくらないことを学び実践するためのものです。
痙縮が発生し、増強すると一生涯治りません。
その痙縮により、不良な動作、姿勢により二次的な腰痛、膝痛、肩痛を発生する脳卒中患者は多くいます。
先に何が起こるかを見据え、今できることをし、未来の二次障害を未然に防ぐことも理学療法士として求められるスキルです。
―増田 拓也