人に信頼されるには?

from:増田 拓也

@Physio Lab.

 

先日、ラボのデスクに座っていると「ピンポーン」と入口のチャイムが鳴った。

入口まで出迎えると、電話でご予約頂いた近所にお住まいの80代の女性だ。

主な訴えは長年の腰痛と肩の痺れるような痛み、最近は膝まで痛くなりだし、

生きるのが辛いという方だった。

 

当ラボは病院のリハビリ、整骨院、整体等をまわり約10か所目という話であった。

初回は数枚の書類にサインや質問票を記載してもらうとこから始めるが、書いているのも辛そうであった。

私は「大丈夫ですか?」と声を掛けると「しんどいです」と返ってきた。

 

この方は近所で通常の成人であれば徒歩3~4分もあれば着くようなところに住んでいるのだが、聞くと20分以上もかけて歩いて来たとの事。

「こんな暑い中、大変でしたね。」と私。

「もうあきません、死にそうです」とお客さん。

 

そら、こんな暑い中20分以上の歩けばしんどいわな。しかもこの日の大阪の気温は38℃。外に出るのは危険レベルと出ていた。

「では施術させてもらいますね」といって施術ベッドへ誘導し、施術を開始。

施術が終わると「あ~良くなった。腰も痛くない、膝も痛みないわ!」と言って頂いた。

ひとまず良かったかと思い、玄関までお見送りをしているときにそれは起こりました、、、。

 

その方は杖で歩いてきていたのですが、、、。

ちょっと待ったーーーー!!

歩きにくい理由がわかりました。確かに腰痛や膝痛の影響はありましたが、それだけでない大きな理由。

それは、

「杖の高さ」

でした。

その方は小柄な方でしたが、杖が肩の高さでついており、まるでコメディに出てくるおばあさんのまんまやないか!!

すぐに、杖の高さを調整しました。

すると、「えらい歩きやすいな!!ナニコレ?」とおっしゃいます。

 

なんで、今までの病院やらで杖の高さ見てないねん!ちゃんとやれよ、理学療法士と思うと同時にこんな風に言われました。

「こんな杖まで診てもらったん初めてだわ!先生なら身体も治してくれるな!もうここに決めたわ!」

 

???

杖の高さ合わしただけですけど?(笑)と思いましたが、何気ないことがその人の中で大きなことであるということに改めて気づかされたことでした。

自分にとっては何気なくても人にはとても意義のあることであることがあります。そんな小さなことが大きな信頼に繋がることがあります。

そんなこと身近にありませんか?

 

P.S. 杖を合わせたら15分で家に帰れたそうです。(笑)

 

―増田 拓也

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